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【和訳】『愛はかげろうのように(I’ve Never Been to Me)』は高級娼婦の歌?

この記事は約14分で読めます。

今日のBGMはこれ

愛はかげろうのように/シャーリーン(歌詞付)

この曲は、もちろん聴いたことがあった

でも、ただ聴いたことがあるだけだったんだけど、

死ぬまでに観たい映画1001本に選ばれてる『プリシラ』っていう映画を観た時に、「この曲、好きだな♥」って思ったんだ

ゴージャスな生活してるのに…

『プリシラ』っていうのは、ドラァグ・クイーン(女装のゲイ)の話なんだけど、この曲を歌うシーンがあるんだよね

歌うって言っても、くちパクだから曲はオリジナルです(くちパクはオカマの伝統芸らしい)

映画では、曲名までは確認できなかったんだけど、プリシラのサントラ盤が出てるので、それで曲名を知りました

原題は、I’ve Never Been to Me
邦題は、愛はかげろうのように

映画の中で、歌ってる時に英語の歌詞も出るんだけど、

なんかセレブな生活をしてるみたいなのに、後悔してるっぽいっていうか、切ない感じがして、不思議な曲だな

と思っていました

歌詞は出るものの、曲の速さでは理解が追いつかず、曲の言わんとしてることはわからない感じ

でも、ゲイにはすごくあってる曲な気がして、

「歌詞変えてるのか?」「でも、歌詞を変えたら口があわなくなるよな~。ぴったり合ってるし!」

と思って観ていました

だから、曲の意味にもすごい興味あったんだよね~

全体的な意味としては、↓この動画↓で流れる通りなんだけど、

愛はかげろうのように/シャーリーン(歌詞付)

歌詞として出る英語が、ところどころ間違ってるし、日本語訳もちょっと違うような気がして、

ちゃんとした意味を調べてみることにしました

I’ve Never Been to Meの歌詞を和訳

Hey lady, you lady
cursing at your life
You’re a discontented mother
and a regimented wife

I’ve no doubt you dream about
the things you’ll never do
But, I wish someone had talked to me
like I wanna talk to you

ねえ、あなた そう、あなたよ
母親として不満だらけ、
妻としてはがんじがらめで、
人生を疎ましく思ってるんでしょう

あなたは、したくてもできないことを
夢見ているに違いないわ
ああ、あなたに今私がこうして話しかけるように
あの時の私にも、誰かが話してくれたらよかったのに

cursing at your lifeを直訳すると「人生を呪っている」ですが、ちょっと意訳(笑)

oh I’ve been to Georgia and California
and, anywhere I could run

I took the hand of a preacher man
and we made love in the sun
but I ran
out of places and friendly faces
because I had to be free

I’ve been to paradise
but I’ve never been to me…

前は、ジョージアやカリフォルニアにもいたのよ
行ける所なら、どこにでも行ったわ(逃げたわ)

牧師と手を取り合って、
太陽の下で愛し合ったりもしたのよ
でも、私は逃げた
場所からも、親しい人からも
私には、自由が必要だったの

私は楽園を知っているけれど、
いまだに なりたい自分になれてない

I’ve never been to me は、パッと出されると、なんて訳していいのか?がわからないけど、

本当の自分になれてない → 本当の自分がわからない…って感じに訳すみたい

★ I’ve never been to me…について<2022年5月追記>
「本当の自分がわからない」よりも、「なりたい自分になれてない」のほうがあってる歌の内容にじゃない?って思ったので、和訳歌詞を変更しました!
意訳すると、「ごく普通の一般的な幸せがほしかった」って事かな~と

Please lady, please lady
don’t just walk away
‘cause I have this need to tell you
why I’m all alone today

I can see so much of me
still living in your eyes
won’t you share a part
of a weary heart
that has lived million lies

ねえ、あなた、お願いよ
逃げないで聞いてちょうだい
あなたに伝えなくちゃ
私が今もひとりぼっちなわけをね

あなたの中に、まだ私がいるのがわかる
(あなたは、私に似てる)
あなたにもわかってもらいたいの
偽りだらけで生きて
疲れ切った私の気持ちを

I can see so much of me still living in your eyes を訳すのが難しい

直訳すると、「私には あなたの瞳の中に住み続ける私がよく見える」って感じかな?

要は、「あなたには、私と似た部分がある」ってことですね。言わんとしてる事はわかるけど、上手く訳すのが難しいです

oh I’ve been to Niece and the Isle of Greece
while I’ve sipped champagne on a yacht
I’ve moved like Harlow in Monte Carlo
and showed ‘em what I’ve got

I’ve been undressed by kings
and I’ve seen some things
that a woman ain’t supposed to see…

I’ve been to paradise
but I’ve never been to me…

ニースにも、ギリシャの島にも行ったわ
ヨットで、優雅にシャンパンを飲んでね
モンテカルロでは、ジーン・ハーロウ気取りで
自分の特技を披露したりね

多くの素敵な男性に愛されて
普通の女では、経験できないようなこともいっぱいしてきたわ

そう、夢みたいな人生を送ってた
でも、いまだに なりたい自分になれてない

showed ‘em what I’ve got が、ちょっと難しい

‘em は them だけど「突然 them って誰?」って感じ(^_^;)

でも、歌って、謎の代名詞が突然出てきたりするから、とりあえず気にしない!(笑)

調べてみたら、show me what you’ve gotで「お手並み拝見」的な意味になるらしいので、「自分の特技を披露」ってことにしてみた

ちなみに、謎の them は、あとに出てくる kings だと思う

そして、ジーン・ハーロウ(1930年代のセックスシンボルらしい)からのつながりを考えると、性的な特技だと思っていいかも

I’ve been undressed by kings を直訳すると「王様たちに脱がされてきた」だけど、まぁ「たくさんのセレブな男性に愛された」って感じですね

そして、私にとって1番わからないのが a woman ain’t supposed to see です

ここは人によって、解釈が違うようで、「普通の女性なら見られないような」という意味で訳してる人もいれば、「女は見るべきでない」という風に訳してる人もいます

supposed to を調べてみると「~することになっている」という意味だと出てくるので、

a woman ain’t supposed to see を素直に訳すと「普通の女性なら見られないような」ですよね

そのほうが、前後のつながりもいいので、こっちを採用しました♪

ん?!「普通の女は見るべきじゃない(見てはいけない)」というのは、普通の世界に戻るのがツラくなるからという意味だとすると、「普通の女性なら見られないような」と同じような意味になりますね

a woman ain’t supposed to seeについて <2019年5月 追記>

久しぶりに、この曲を聴きたくなって、この記事を読み返しつつ、上に載せてるYoutube動画を見てたんですが、

この動画を作った人は、a woman ain’t supposed to seeの辺りを『とても体験できないような 誘惑もあったわ』と訳しているんですね

ん?誘惑??魅力的な提案された的な感じ?
supposeって「提案する」って意味もあるのかな?

って思って調べてみたら、なくもない(微妙w)

意味)[提案を示して] 〈…しては〉どうだろう,〈…〉しようではないか.
例文)Suppose we change the subject. 話題を変えてみましょう.

この意味で、I’ve seen some things that a woman ain’t supposed to see を訳すと、

『普通の女性なら提案されない(誘われない)ような事も見てきた』って感じになりますね

まぁ、過去に訳した通りの『普通の女では、経験できないようなこともいっぱいしてきたわ』って意味と変わりないんだけど、

なんかしっくりきたので、追記しとく(笑)

追記、終わり!

Hey, you know what paradise is?
It’s a lie.
A fantasy we create about
people and places as we’d like them to be.

But you know what truth is?
it’s that little baby you’re holding
it’s that man you fought with this morning
the same one you’re going to make love with tonight
that’s truth, that’s love

ねえ、パラダイスってどんなものだと思う?
それは偽り
こうありたい、こんな場所に行きたいと
私たちが作り上げる幻想よ

でも、あなたは真実が何か知ってるでしょ?
それは今あなたが抱いている赤ちゃん
今朝、夫婦げんかした彼
…きっと、その彼と今夜も愛し合うんでしょう

それが真実 それが愛なのよ

ここは台詞なせいか、そんなに難しくないですね
特筆すべきこともなし!

Sometimes I’ve been to crying
for unborn children
that might have made me complete

but I…I took the sweet life
I never knew
I’d be bitter from the sweet

I’ve spent my life
exploring the subtle whoring
that costs too much to be free

I’ve been to paradise
but I’ve never been to me…

時々、泣いてしまうことがあるの
生まれてこなかった子供たちを思ってね
子供がいれば、私は満たされていたかもって

でも、私は甘い生活を選んだ
だって、知らなかった
甘い生活の後に、こんな苦しみが待っているなんて

私は人生を体を売るのを追い求めるのに費やしてしまった(ようなものだ)
自由でいるために、多くの犠牲を払った

私は楽園を知っているけれど、
いまだに なりたい自分になれてない

さて、ここが1番難しいパートです

まず、unborn children (生まれてこなかった子供たち)

意味はよくわかるんだけど、私がびっくりしたのは、その解釈

私は、「愛を求めて世界中をさまよったりせず、1人の男性を愛し結婚していれば、授かったはずの子供たち」のことを指してると思ったんだけど、

「堕ろした子供たち」と解釈する人が多いんですね!

言われてみれば、涙するくらいだから、堕ろしてるって考えたほうが自然か?!

私は、『プリシラ』でゲイが歌ってるのが第一印象で入ってるから、unborn children を「いるはずのない子供」的な感じに思ってただけか?!

まぁ、好きに解釈すればいいと思います(歌だし)

unborn childrenは、自分と他の人の解釈の違いにびっくりしただけなんだけど、よくわからなかったのが the subtle whoring

subtle は「はっきりしない」、whoring は「売春行為」という意味なので、the subtle whoring は「はっきりとしない売春行為」

つまり、直訳すると・・・

I’ve spent my life exploring the subtle whoring
私の人生をはっきりとしない売春行為を追い求めるのに費やしてしまった

という風になります

意訳すると、「体を売ってるつもりじゃなかったけど、私がしてきたことは、売春と変わらないじゃないか!」という感じかな~?と思います

・・・こう考えられるようになったのは、↓こんな意見↓を読んだおかげです☆

subtleはギリシャ語源で織物(tle)の下に(sub)といった単語です。そこから、一方では「織物を通してみるような」→「把握しにくい」みたいな意味が、もう一方では「織物の下でも知覚できる」→「鋭敏な」みたいな意味が生まれました。私は、ここでの意味は前者だと思います。なぜ前者だと判断したのかと、誰になにが把握しにくいのかですが、後ろの単語でbitchでなくwhoreが使われていることが重要だと思います。 日本では、この二つはあっちの意味のスラングでbitchに比べるとwhoreのほうがきつい表現、という扱いでしかありません。しかし、少なくともこの曲ができた現代アメリカではこの二つは(というかbitchは)はっきり別の意味を持っています。bitchとは、「不道徳なことを楽しんでいる女性」のことです。一方whoreとは、ぼかして言えば「やむをえず不道徳なことに染まっている女性」のことです。ぼかさずに言えば”a female slave sold for prostitution”です。だからこそ、1990年公開の映画「Bring It On」で主人公のチアリーダーたちは歌うのです。「 I’m sexy, I’m cute, I’m popular to boot. I’m bitchin’….. I swear I’m not whore」と。bitchは主体的ですがwhoreは望まざる運命の奴隷という感じです。 この歌中の女性も、その”絶頂期”にyou’re a bitchと言われてもそのとおり何が悪いと返したかもしれません。しかし、彼女が実際にやっていたのは”whoring”でしかなかった・・・なぜなら、その行為は実は、彼女が本当にやりたいことではなかったから。これは歌全体を流れる女性の嘆きの根幹でもあります。そう考えると、subtleが指すものも明らかです。「女性本人にとって、whoringであることが霞んでいた」です。 というわけで、 I’ve spent my life exploring the subtle whoring を訳すと、 自分の目をくらませながら体を売る方法を探るのに人生を浪費してしまった。 みたいな感じになるかと思います。

これがなかったら、さっぱり意味がわからなかったと思う(笑)

I’ve Never Been to Meを和訳してみて

この曲は、高級娼婦の歌として受け取る人が多いんだとか

でも、本当に高級娼婦なら、誤って妊娠するなんてことないでしょ?って思うんだけどな~

それに、高級娼婦なら、the subtle whoring(はっきりとしない売春行為)じゃなくて、思いっきりはっきりした売春行為だし!

あっ、subtle には「緻密な、巧みな、巧妙な」って意味もあるから、そっちで解釈すれば、思いっきり売春行為ってことでいいのか?

いや、そうでもないか・・・(笑)

歌って、そんなに意味を真剣に理解しようと聞くもんじゃなく、聞こえてきた単語をそのままの意味で受け取るというのが普通だから、

whoring って単語が聞こえてきて、単純に高級娼婦の歌だと思う人が多いってことだと思います

私は、高級娼婦の歌だとは思わないけど~

そして、やっぱり子供を堕ろしたとも思わないけど~(それなら、高級娼婦でもいいわけだけど 笑)

それか、英語習得度によって違うのかな?(堕ろしてるとか、高級娼婦って言ってる人たちは、英語がすごくできるっぽいので)

英語習得度っていうか、アメリカの一般常識?

もしかしたら、unborn childって言ったら、特別な理由がない限り、堕ろした子供を指すっていう暗黙の了解とかあるのかもしれないからね

個人的には、叶 恭子さんのような感じの女の人を想像してます

恭子さんのことを高級娼婦と解釈する人もいるので、そういう意味でもぴったりな感じ(笑)

叶 恭子さんの世界を知るには、トリオリズムをおすすめします♪

曲の解釈が少し変わりました<2022年5月追記>

久しぶりに記事を見たら、レイアウトが崩れていたので、修正しました

I’ve Never Been to Meを聴きながら記事修正をしてたんだけど、「・・・こりゃ、子供を堕ろしてるな」って思った(笑)

私が過去に予想で書いたように「unborn childって言ったら、特別な理由がない限り、堕ろした子供を指すっていう暗黙の了解がある」とかじゃなくて、歌の意味を考えたら…ね

自由奔放に恋愛を楽しんだ女の人の歌だから、子供を堕ろした経験があると解釈するのが自然かな~って思ったの~

そうよね、英語できる人が「堕ろした子供」って解釈するはずよね…って納得した(笑)

あっでも、両方かな。「堕ろした子供」と「愛を求めて世界中をさまよったりせず、1人の男性を愛し結婚していれば、授かったはずの子供」の両方

ただ、高級娼婦だとは思わない。全然思わない

自由を求めて生き、多くのセレブな男性に愛され、ゴージャスな生活してきたけど、歳をとってから「体を売ってるつもりじゃなかったけど、私がしてきたことは、売春と変わらないじゃないか!」と思った女性の歌だと思う~

ただ、お相手の男性の中には、高級娼婦だと思って接してた人もいるんだろうな…って思う

もちろん、ちゃんと彼女を愛してた男性もいる!そういう歌だと思う!

ちなみに、映画『プリシラ』は、オーストラリアの壮大な自然と、ドラァグ・クイーンの華麗な衣装のミスマッチが逆に楽しい作品です。おすすめ!

コメント

  1. おか より:

    変に文をまとめたりシンプルにしようとしたりせず、細かく文字にしてくれてるおかげで、すごく分かりやすく共感できました。
    面白くてあっという間に読めました。

    • 覆面はしこ♥覆面はしこ♥ より:

      >おかさん

      コメントありがとうございます♪コメントに気付くのが遅くなってしまいました(^_^;)
      なぜかこの曲だけ、やたら英訳したくなって書いた記事なんですが、おかさんに楽しんでもらえてよかったです~(*´▽`*)

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