実体験として「筋肉が脂肪になった!」という経験を持ってる人は多い
私も何度かある。今までしてた運動(そこそこの負荷の運動)を急に止めると起こる現象だよね
でも、ちょっと知識あるっぽい人は「筋肉はタンパク質だから、脂肪にはならない」とか言って、「筋肉が脂肪になった」体験談を否定してくる
私も前は、体感として「筋肉が脂肪になった」感じはするのは不思議だな~と思いつつも、「そうだよね。タンパク質は脂肪にはならないよね」って思ってた
でも、最近、「本当にタンパク質は脂肪にならないのか?」という疑問をもった
筋肉が減って代謝が落ちると、(部分的に)脂肪が増える?
「本当にタンパク質は脂肪にならないのか?」という疑問をもつきっかけになったのは、本を出してるような有名なトレーナーさんが
「筋肉(タンパク質)は脂肪にならない。でも、そういう体験をしてる人が多いのも事実。それは、筋肉が減って代謝が落ちたせいで脂肪がついただけ。体感としては、筋肉が脂肪になったように感じてるだけで、実際にはそうじゃない」
…という感じの事を書いてるのを見かけたから
「筋肉が減って代謝が落ちたから脂肪が増えた」…一見「なるほど」と納得してしまいそうだけど、
この理論なら、全身にまんべんなく(もしくはその人の脂肪がつきやすい部位に)脂肪がついてもよくない?筋肉があった位置にピンポイントで脂肪がつくなんておかしい!
筋肉が減った部分の代謝が局所的に落ちるから…と言いたいのかもしれないけど、そのトレーナーさんは「部分痩せはムリ」って言ってるのよ。例えば、脚ヤセしたいからって、脚に筋肉を増やしても、脚の脂肪が減るわけではないって!
「太ももの筋肉を増やす→太ももの代謝が増えて、太ももの脂肪が減る」は否定してるのに
「太ももの筋肉が減る→太ももの代謝が減って、太ももに脂肪が増える」は可能だって主張してるわけ
なんか変じゃない?とくに、部分痩せを否定されてるのが嫌なんだよね!…そう、単なる気持ちの問題なんだけどね!(部分ヤセが大変なのは認めるけどw)
「筋肉はタンパク質だから、脂肪にはならない」説に疑問を感じた理由は、他にもある
体内では思った以上にいろいろな化学変化が起きている
最近、体内の化学反応について調べる機会が多少あったんだけど、体内の化学反応を見ていて「こんなにも色んな変化してるんだな~」って思ってたの
まぁ、当たり前だよね!そりゃ、そんな単純な化学変化ばかりじゃないよね
それで、なんとなく「筋肉(タンパク質)が脂肪になっても、おかしくないな」って感じたわけです
だから、調べてみた
調べてみたら、タンパク質は脂肪になる!という事がわかりました(≧∇≦)ノやっぱり~♪
筋肉が脂肪に変わる仕組みを簡単に説明してみる
筋肉の分解と合成
まず、基本として、通常時の筋肉の話
普段から筋肉は、分解と合成が行われてる。
- 分解するほうが多ければ、筋肉が減る
- 合成のほうが多ければ、筋肉が増える
- 分解と合成のバランスが取れてれば、筋肉量が維持される
筋肉の維持=筋肉が分解されずに、昔作った筋肉がずっと残ってる…というわけではないの。常に分解と合成を繰り返してる
では、次に、今までしていた運動を止めたせいで、急激に筋肉が落ちる時の話
運動(筋肉に負荷をかける作業)を止めてしまったので、当然 合成よりも分解が多くなる
すると、筋肉(タンパク質)が分解されて、局所的にアミノ酸が増える(タンパク質を分解するとアミノ酸になるよ。分解されたアミノ酸は、遊離アミノ酸やアミノ酸プールと呼ばれる)
余剰分の遊離アミノ酸は、脂肪に変換されて脂肪細胞に蓄えられる
こういう仕組みで、筋肉は脂肪になる事がわかりました
机上の空論じゃないよ!ちゃんと体内でそういう化学反応が起こることを確認しました!しかも、ちゃんとその辺(肝臓とか特別な場所じゃなくて、その辺の普通の細胞)でも起こるってのも確認した
筋肉が脂肪になるには…
まず、最初に見つけた「タンパク質が脂肪になる」という記述
出典:脂肪の代謝とその調節
「タンパク質からも脂肪は作られる」って書いてる!書いてる人も大学教授だし、信用できるよね
「量的にはわずか」とも書いてるけど、日常的な話じゃなくて、筋肉が急激に落ちるという特殊な状況だから、これは気にしなくていい
とにかく、タンパク質が脂肪に変わるルートがある(そういう化学反応を起こす仕組みが身体に備わっている)ってのが重要!
「脂肪組織に蓄えられる脂肪は、大半が肝臓または脂肪組織で」…と書いてあるのが気になるところ
まぁ、脂肪組織でも起こるなら、筋肉が落ちた部位の近くにある脂肪組織でも起こるだろう…と考えられるけど、もうちょっと詳しく調べてみることにする
筋肉(タンパク質)が分解されてアミノ酸(遊離アミノ酸)になるのは、確認するまでもないので、遊離アミノ酸は脂肪になるのか?どこでなるのか?を調べる
アセチル-CoAが脂肪酸になる
脂肪は、脂肪酸とグリセリンで出来てて、脂肪⇔脂肪酸は簡単だと思うから、脂肪酸の合成について調べてみた
脂肪酸になるのは、アセチル-CoA(アセチル補酵素Aの略)らしい
わかりやすく図を載せたかったけど、スクショも怒られそうな雰囲気があるので、リンクのみにしとく
糖質代謝のキーワードの図Vをチェック
そして、アセチル-CoAは、ピルビン酸、もしくは「AA」から作られるらしい
「AA」って何?と確認してみたら、AA:アミノ酸、AA:必須アミノ酸の代謝、AA:非必須アミノ酸の代謝とのこと
同じ記号で3つを表現してるの?(笑)まぁ、要は「アミノ酸の代謝で普通に作れますよ」って事だね
ちなみに、ピルビン酸もAA(各種アミノ酸の代謝)からできるって事なので、アセチル-CoAはアミノ酸があれば簡単に作れるね
アミノ酸からアセチル-CoAが作られる場所は、その辺にある細胞のミトコンドリア内。(肝臓じゃないとダメってことはない)
さっきの図は糖新生の説明だから、図の説明に肝細胞って書かれてるけど、糖新生(アミノ酸などからグルコースをつくる経路)の場合も、肝臓でしかできないのはグルコースを作る最後のステップのみ。それまでは他の部位でもできる(参照:糖新生)
アセチル-CoAが脂肪酸になる場所
次に気になるのが、アセチル-CoAが脂肪に変わる化学反応が、どこで起こるのか?
特殊な場所(肝臓とか)でしか起こらないなら、いくらルートがあろうと、筋肉が脂肪に変わるのはムリってことになる
調べてみたところ、脂肪酸の合成に「脂肪酸のb-酸化と異なり,脂肪酸の生合成は細胞質で行われる。」と書かれている
「脂肪酸のb-酸化と異なり、脂肪酸の生合成は細胞質で行われる」と書かれているので、その辺の普通の細胞の細胞質(細胞内。ミトコンドリアの外)で起こるって事だよね
(肝臓の細胞の)細胞質という意味じゃないよね?
「異化と同化の違いを述べる」って書いてるし、脂肪酸の合成(同化)が肝臓でしか起こらないなら、めちゃくちゃ大きな違いだもんね??(異化はどこでも起こる。エネルギーを取り出す作業なので、どこでも起こってくれないと困る)
脂肪酸の生合成についてにも「肝臓」とは書かれてないし、たぶんその辺の細胞でも大丈夫って事だと思う
筋肉が脂肪に変わりやすい人
激しい運動を急に止めても、筋肉が脂肪に変わらない人もいる。
私が「筋肉が脂肪になった!」を初めて体験したのは、中学の部活を辞めた時(引退した時)なんだけど、同じ環境の子でも「筋肉が脂肪になった」とは感じなかった子もいた
「筋肉?普通に落ちたよ」と言っていた。…うらやましい(笑)
そんなわけで、筋肉が脂肪にかわりやすい体質というのは、ある
「筋肉が脂肪になった」と感じるほど、筋肉が落ちる部位と脂肪のつく部位が一致するためには、局所的に遊離アミノ酸の濃度を高くして「アミノ酸余ってるから脂肪にして蓄えよ」と体に思ってもらう必要があるので、まずは、筋肉が激しく分解されないといけない
ダイエット系の遺伝子検査をしたことある人なら、筋肉のつきやすさの項目があったと思うんだけど、あれは筋肉を分解する酵素を多く作るタイプかどうか?を調べてるんだよね
だから、遺伝子検査で「筋肉つきにくい」=「筋肉が分解されやすい」人のほうが、筋肉が脂肪に変わりやすいだろう
さらに、分解された遊離アミノ酸がすばやく流れていくと、筋肉が落ちた部位で脂肪に変えられないので、できるだけ留まってもらわないといけない。分解された遊離アミノ酸が流れにくい人=血流やリンパの流れが悪い人でないと、筋肉が脂肪に変えられないでしょう
…私は、どちらもあてはまります( ̄▽ ̄;) どうりで筋肉が落ちた部位に脂肪がつくわけよね~
【結論】筋肉は脂肪になる!
「筋肉は脂肪にならない」説に疑問をもち、調べてみたところ、見事「筋肉は脂肪になる!」という結論を得ました!
やったー!(≧∇≦)ノ ・・・ではない!!
筋肉は脂肪になってほしくない…
脂肪にならず、普通に落ちてほしい!!
しかし、「筋肉はタンパク質だから、脂肪にはならない」とか言って、「筋肉が脂肪になった」体験談を否定してくる人は、ただの知ったかぶりだと判断できるようになったので良しとする!
あと、筋肉が分解されやすい遺伝子を持って生まれていても、血流やリンパの流れを良くすれば、筋肉が落ちた部位に脂肪がつくのを防げる(んじゃないか)という予想もできたし!
ちなみに、逆の脂肪は筋肉になるのか?は調べてないけど、たぶん難しいと思う(なんとなくのイメージで)
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